

整形外科では、骨・関節(靭帯)、筋肉(腱)、首(頚椎)から下の神経の病気を診療します。
外来部門は、外傷(四肢・体幹)はもちろんのこと、骨粗鬆症・関節リウマチ・痛風・自然に発生した各関節痛及び筋肉痛を診療・診断し、内服、理学療法、注射、外科療法等を駆使し、その都度最適な治療を行っています。バネ指、巻き爪など局所麻酔で可能な手術は、日帰りで行っております。入院部門は、上肢・下肢・外傷の骨接合手術はもとより人工関節・矯正手術・関節鏡を、自己血を用いるものは用いて行っております。
また、急激に起こった腰痛などで自宅での介護・看護が困難になった患者さんの入院も出来る限り受け入れ理学療法を行なうことにより早期社会復帰のお手伝いをしております。
高齢化が進む我が国ではリハビリテーションを必要とする患者さんが増加しています。当科では最新の設備とともに医師・看護師・理学療法士・作業療法士とのチームプレーで患者さんの機能障害の改善、社会復帰をサポートします。
当院人工関節チームでは手術の安全性と精度を高めるためナビゲーション手術を導入しています。
初期であれば筋力訓練などの運動療法が最も大切です。痛みがある場合には内服薬や注射を使います。それでも痛みの為、日常生活がままならない患者さんには年齢にもよりますが、回復のスピードが速く、基礎的な日常生活を取り戻せる人工関節置換術をお勧めします。
人工股関節全置換術、人工膝関節全置換術やリバース型人工肩関節置換術は、進行した変形性関節症の患者さんの傷んだ関節の表面を、金属のインプラントに置き換えることにより機能を改善する手術です。これにより多くの患者さんで痛みが改善します。
手術前は近所へ買い物行くことが困難だった人が、手術後に旅行や軽いスポーツなどを楽しむことが期待できます。
一般的に手術翌日から立位歩行訓練を開始し、約2‐4週で退院が可能です。
当科では2020年4月に先進医療であるナビゲーションシステムを手術室に導入し、人工股関節全置換術と人工膝関節全置換術に使用して手術を行っております。
技術的に習熟した医師が、更にコンピューター支援システムであるナビゲーションを使用することで、従来の手術より痛みの軽減と歩行機能の改善が期待でき、より患者さんの生活に沿った手術を提供できます。
人工関節手術では、患者さんに合わせて正確にインプラントを設置することが手術後の機能の向上につながることが知られています。
まずナビゲーション手術前に、CT検査でのデータを使って患者さんごとに最適なインプラントの設置位置を決定し、3次元の設計図を作成します。
手術中はリアルタイムで骨や関節の位置を正確に把握できるので、通常の人工関節の手術に比べて誤差が少なくより正確に最適な位置に人工関節の設置(精度約90%)ができます。(ナビゲーション非使用では精度は約70%)
さらに、筋肉や靭帯などへのダメージが従来の手術よりも少なく、手術後の痛みが軽くなる、機能の回復が早くなるといった効果も期待できます。
下記の症状がある場合には、腱板断裂やそれがさらに進行した腱板断裂性関節症が考えられます。
投薬、関節内注射などの保存療法が効果ない場合は手術も1つの手段です。
関節鏡という内視鏡を用いて7-8㎜程度の傷で断裂した腱板を修復します。
傷も小さいので体への侵襲も小さく、痛みの減少や早期社会復帰にメリットがあります。
腱板断裂が大きく、修復できないものや転倒して粉砕骨折を受傷した場合などしっかりと治る見込みのない骨折などはリバース型人工肩関節置換術の適応になってきます。
リバース型人工関節置換術(RSA)は2014年4月から日本国内での使用が認可された日本では最新の術式です。
通常の人工関節置換術(TSA)では傷んだ上腕骨頭をヘッドで置き換え、傷んだ関節窩にグレノイドコンポーネントを設置します。腱板が損傷していない場合にこの人工関節置換術おこなう手術ですので、肩の構造は、元の肩の解剖に似ています。
しかし、リバース型(反転型)人工関節では、丸いヘッドにあたるグレノスフェアが関節窩に、そしてグレノスフェアの受け皿が上腕骨側についています。
全人工関節置換術とは、このヘッドと受け皿が反対の構造になっています。したがって、反転型(リバース型)人工関節と呼びます。
この手術を行うには専門的な肩の手術を一定数経験し、認定を得た医師しか施行できません。
リバース型人工肩関節
そもそも50歳以上の方には無症候性を含め、4人に1人は腱板断裂が存在していると報告があります。
通常の人工肩関節置換術(TSA)は腱板断裂がなく、機能がしっかりしていることが必要であり、これを満たさない手術成績は非常に悪かった過去があります。TSAでは肩の挙上に三角筋と腱板双方の力が必要です。
一方リバース型人工関節置換術(RSA)では既に腱板が失われていますから三角筋の力だけで挙上しなくてはなりません。
それを実現するためにRSAでは、肩の回転の中心を本来の位置よりも内側かつ下側に位置し、これにより肩峰(肩のてっぺん)から上腕の外側についている三角筋のレバーアームを長くすることにより、三角筋の力だけで肩を挙上することを可能とし、満足度の高い術式となっています。
肩の痛みは寝れない、物が届かない、など日常生活にとても困る事が多いので困っている方は気軽にご相談下さい。
当院には認定医がいますので、保存治療、手術治療問わず丁寧に診察致します。